デジタルヘルス解説集 東京慈恵会医科大学 先端技術情報研究部

論文/研究資料

Joinやスマホ医療に関する論文をいくつかご紹介します。ご紹介した論文のうち4本はインターネット上のメディカル論文データベース「PubMed」でも読むことができます。興味を持った方はPubMed上でお読みください。

タイトル

A Smartphone Application as a Telemedicine Tool for Stroke Care Management

雑誌 NMC Neurologia medico-chirurgica
年度 2021No. 4
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nmc/advpub/0/advpub_oa.2020-0302/_article/-char/en 今年COVID19が流行って専門医が直接患者さんをみれる機会が減ってしまいまいした。 脳卒中や循環器疾患、大きな外傷などは、診断・治療までの速さが救命率に大きく関わります。素早い診断・治療が出来ないと、医療崩壊にもつながります。僕らが作ったJoinというアプリは、専門医が直接患者さんを診られない場合でも、医師同士をつなぐことによって素早い診断や適切な処置の指示ができ、手術までの時間を短縮できます。この論文では、Joinを使って脳卒中の患者に対して素早い診断と素早い治療ができることをまとめました。Join導入前と導入後の時間を比較し、明らかに短くなったことを説明しています。「スマートフォンを使って情報を共有できれば時間短縮につながるのが当たり前だ」という人もいると思いますが、科学的な根拠を論文にまとめてみました。
タイトル

Reliability of smartphone for diffusion-weighted imaging–Alberta Stroke Program Early Computed Tomography Scores in acute ischemic stroke patients: diagnostic test accuracy study.

雑誌 J Med Internet Res
年度 2020
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32515744/t スマートフォンで画像を見ると病院で見るディスプレイの解像度と違うのでうまく診断できないという人がいます。そこで東京慈恵会医科大学の神経内科学講座の坂井健一郎先生は、スマートフォンの画像による診断と病院にあるディスプレイでの診断を比較し、スマートフォンでも遜色ない診断ができることを論文で示されました。
タイトル

Communication-type smartphone application can contribute to reducing elapsed time to reperfusion therapy

雑誌 Nurological Sciences
年度 2020
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33638012/ 発症から早急に治療を行うことが、脳梗塞の重症化を防ぐための最善の方法です。脳梗塞の患者が病院に搬送されると、救急部、脳卒中専門医、放射線部、脳血管内治療医、手術室、麻酔科、集中治療室など、さまざまな部署が連携して治療に当たります。しかし、関係するスタッフが多い分、コミュニケーションエラーが発生して治療開始までが遅れる可能性が課題となります。Joinは、SNSのように1対複数で同時にコミュニケーションが取れる利点があります。この論文では、Joinのこうした利点を生かすことで部署間のコミュニケーションが迅速になり、急性期脳梗塞の治療開始時間が短縮されることを示しています。
タイトル

Thrombectomy for Stroke in the Public Health Care System of Brazil

雑誌 NEJM
年度 2020
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32521133/ NEJMという臨床では一番有名な論文雑誌があります。ブラジルのSheila O Martins先生は、その雑誌でJoinを使った脳卒中システムに関する論文を発表しました。スマートフォンを使ったアプリで医療情報や医療画像を共有するが、脳卒中医療の改善に効果的であることを科学的に立証する論文です。デジタルの導入によって医療が良くなることが、科学的に示されました。
タイトル

Primary Salvage Survey of the Interference of Radiowaves Emitted by Smartphones on Medical Equipment

雑誌 Health Phys
年度 2016
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27575351/ 病院では、スマートフォン(携帯電話)の利用が禁止されているところが多いです。携帯電話の電波が医療機器に影響を与えるからだと言われていますが、私たちは、携帯電話やPHSの電波がどれくらい医療機器に影響を与えるのかを調べて論文にしました。携帯電話は電波が悪いと電池の減りが早くなりますが、簡単に言うとそれは電波を探すために電力を使っているからです。電力を使っているとどうしても電磁波が出てそれが医療機器に悪影響を及ぼします。PHSは低電力だから大丈夫だと言いますが、電波が良ければ携帯電話のほうが低電力になります。だから病院の電波環境を整えてあげれば携帯電話やスマートフォンを使うことができます。スマートフォンが使えればパソコンを持ち歩くのと一緒なのでいろいろなことができます。この論文によって、根拠を持って病院にもスマートフォンを導入できると思います。